肉の海
優勝博覧会翌日、下北沢へ舞台を。
渡辺えりさんの劇団3〇〇「肉の海」。
夜中に友達と話してて、「明日空いてるなら観に行った方がいいよ!とある場面でネモトくんが“あっ!"ってなるとこもあるし是非観て欲しい」って言われまして。
そういやタイミングばっちりじゃん!っていう。
元々芝居やってる友達とかちらほらいたりして昔からの演劇が好きなんです。
仙台には中々ないのが残念です。
ダイノジ大地さんも出てるし調べたら若干の空きもありせっかくのチャンス。
本多劇場、何年振りだろってくらい。
フライヤー。
開演前に一通り読む。
だってストーリーすら予備知識ないんだもの!
「重力と塔」が原作で渡辺えりさんが舞台用に脚本を変えたそうで。
千秋楽迎えたので、感想を。
まず、難解すぎる!
というのも単純なストーリーではないという意味で。
読んだら精神に異常をきたすと言われる奇書「ドグラマグラ」現代版としたらそれに近いものを感じました。
ドグラマグラ自体は別にそう思わないけど大正や昭和初期のアングラ的小説って山程あるしね。
宮沢賢治でさえ近いもの感じるもん。
銀河鉄道でゴミ拾いが背中のカゴに星くずを入れててこれを食べるとチョコレートの味がするんだよ
ってセリフとか。
絶対なんかやってる!
チョコレートは隠語だろ!
って言ってる友達が昔いました。
余談でした。
時代の行き来だけでなく空想や場面で年齢も性別もそもそもヒトではなかったりと変わりまくるんで悪夢をみてるような。
正にそれってこの話なんで、モロに引き摺り込まれてたわけです。
SEでCREEAP / RADIOHEADが流れて開演でした。
超音楽劇ってうたってるだけあって個人的には一気に惹かれました。
劇中でも屋比久知奈さんのそのカバーがあったり(素晴らしすぎて涙!)バンドも組み込まれてて。
渡辺えりさん流と言っていいのか笑いが要所に散りばめられてて、客席からも時折笑い声が起きてました。
ただ、笑いと怖さって紙一重。
一気に落差出る所が多々あって生々しい。
出てないけど竹中直人さんの笑いながら怒ってるネタとかそんな意味で。
夢の中だからまだしも現実だったらゾッとする場面も視覚的によりリアルを感じるから余計怖い。
特に台詞回し。
大地さんの農夫役シーンがあるわけで。
高いビルの上なのに畑を耕してるのを指摘された時に
「『肉の海』を耕してるんだ。下には沢山の肉(人)があるからね」
って笑いながら一生懸命耕すシーンに狂気を覚える。
アリスの世界と夢、現実と妄想、時代も性別さえも入り乱れるんで頭の中の混乱がこれまた面白い。
これってまさに現代のインターネットの仮想と三次元現実の混乱。
芝居ってすごい!
素晴らしい舞台でした。